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世の中は良くなっているのか、悪くなっているのか?

 日本ばかりでなく最近の世界の情勢を見てみると、何か世の中は悪い方向に向かっているように感じてしまいます。テロをはじめ殺人事件も多い。自然災害も多発しているように感じます。
 地球温暖化の影響で海水温が上昇すると台風の勢力も増してきます。何十年に1度の災害などと言われますが、このような大災害も毎年のように起こってもおかしくない状況です。
 新聞やテレビ、ネットなどのメディアも悲惨な事件や事故、災害を報じることが多いので、多くの人は世の中が悪い方に向かっているように感じてしまうのは仕方のないことでしょう。

 しかし何事においてもそうですが、事実を客観的に冷静に見ることは大切なことです。
 最近、「ファクトフルネス」(ハンス・ロスリング著)を読んで、このことを改めて感じました。世の中は本当に悪い方に向かっているのでしょうか?
 国連などの統計資料によりますと、例えば乳幼児の死亡率(5歳までに亡くなる子供の割合)は1800年ころは44%だったのに対し、現在ではわずか4%に減っています。災害による年間の死亡者数も、1930年代は約97万人だったのが、現在では約7万人に減っているそうです。
 その他、減り続けている悪い事は、飛行機事故の死者数や大気汚染、飢餓、極度の貧困、児童労働、オゾン層の破壊、有鉛ガソリン、石油流出事故、HIV感染など多岐にわたります。
 逆に良くなっている事は、女性の参政権や識字率、女子教育、小児がんの生存率、農作物の収穫量、電気の利用、安全な飲料水など、これも多岐にわたります。

 さて、これらの事実を踏まえた上で、私は世の中はすべて良くなっている、万々歳と言う風には思っていません。地球が温暖化しているのは事実だし、このまま温暖化が進めば各地に大きな被害をもたらすでしょう。
 アメリカやヨーロッパにおける人々の分断傾向も気になります。難民への迫害や人種的偏見は以前より増しているように感じます。良くなっているもの、悪くなっているものを客観的に見つめ、冷静な判断を下していくことが何よりも大切なのではないでしょうか。
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