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ファクトフルネスーーーデマや風評への対処

 大災害や大変悲惨な事故や事件があった時、デマや風評が起こりやすいものです。
 約9年前の東日本大震災の際には、福島県で原発事故が発生しました。その後、福島県の人たちは多くの風評被害に苦しみました。
 福島県はとても広い県なのに、「福島県産」というだけで、農産物や海産物が放射能汚染されているという風評が立ったからです。行政による検査で安全が確認されていたにもかかわらず、です。データによる客観的な事実よりも、「なんとなくイヤなのよね」という感情、感覚的なものが優先されたからなのでしょう。
 14世紀にヨーロッパで大流行したペストでは、人口の3分の1が亡くなるという悲惨な結果をもたらしましたが、この中にはデマが元で殺された多くのユダヤ人も含まれています。ユダヤ人が井戸に毒を入れたというデマです。
 このようなデマが起こる背景には、ユダヤ人はペストで死ぬ人が少なかったという事実があるのです。実は、ペストはペスト菌という細菌をネズミが媒介する感染症なのですが、当時のユダヤ人地区の人たちは猫を多く飼っていたのです。
 このようなデマや風評に対処するにはファクトフルネスがとても大切だと私は思っています。ファクトフルネスとは、感覚や感情に左右されず、思い込みや先入観を排し、データを重視して事実を客観的に見る世界観・習慣のことです。
 昨今の新型コロナウィルスの渦中では、ある風評によってトイレットペーパーが店頭からなくなるという騒動が起きました。
 また東京の感染者が急増しているという理由で、東京から来た人を避ける風潮もあります。「自粛警察」や「マスク警察」と言われる人たちが歪んだ正義を振りかざしたりしています。
 これらの行動は差別や分断という悪感情を生み出すのです。このような混乱状況の中では、よりファクトフルネスが大切なのではないでしょうか。
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「自粛警察」「マスク警察」に告ぐ③ーーー相手の立場に立つ大切さ

 円満な人間関係を築くコツとして最も大切なものは何でしょうかーーー古今東西よく言われていることは、「相手の立場に立つ」と言うことです。皆が相手の立場で物事を考えるようになれば、おそらく世の中の争い事は、ほとんどなくなるのではないでしょうか。
 しかしこれがなかなか難しいのです。なぜか?それは想像力を必要とするからです。
 〇〇警察と言われる人たちは、この想像力が欠如しているのではないかと私は思っているのです。
 人混みでマスクをつけていない人をマスク警察は一方的に注意しますが、なぜマスクをつけていないのか、考えたことがあるのでしょうか。熱中症の予防のためかもしれないし、マスク皮膚炎や感覚過敏症で10分以上マスクをつけていられないのかもしれません。
 営業自粛要請の中でも営業を続けるパチンコ店に対し、自粛警察はパチンコ店にいやがらせの電話をしたり、入り口に立って営業妨害まがいの行為をしたりしますが、パチンコ店側の立場に立って考えたことがあるのでしょうか。
 休業したとしても、店舗面積が広いための高い家賃や何百台もあるパチンコの機械のリース料は払い続けなければなりません。あなたが倒産の危機にあえいでいる社長だったら、この状況にどう対処するでしょうか。この苦しい胸の内を想像したことがあるのでしょうか。
 物事には両面あるのです。自分の立場だけでなく、相手の立場で考えることも大切なのです。それが余計なトラブルを防ぎ、真の解決策に導くコツなのではないでしょうか。
 最後に、詩人の相田みつをの本に載っていた「片面だけ見て」という文章を紹介して、この「〇〇警察に告ぐ」のシリーズを終わりにしたいと思います。
    (片面だけ見て)
 「最近の寺は、やれ拝観料だの入園料だのといって、万事かねかねで、すっかり観光ずれしちゃいましたねえ」
 ある時、お茶のみ話のついでに武井老師に話しかけました。すると老師に、
「相田君な、君はここへきて中途半端に正法眼蔵など読んだから、自分だけの立場で、軽々しく観光寺なんてことをいうけれど、自分が責任者として、その寺のどまん中に坐ったとしたらどうするか?と、その立場に立って物を言わなければいけない。
 自分は少しも手を汚さないで、外側から無責任な批判だけしてはいけない。きれいごとだけでは、あの大きな寺の瓦一枚変えることができない。
 何もかもちゃんとわかっていてもね、時には濁らなければならぬこともあるんだよ。物の片面だけ見てね、無責任な事を言うもんじゃない。」ときびしく叱られました。

「自粛警察」、「マスク警察」に告ぐ②ーーーあなたはそんなに偉いのか

 人は皆、神様ではないのですから、欠点や弱点、短所と言われるものを持っています。完全無欠な人間などこの世にはいません。
 外出自粛やマスク着用という社会の要請に反する行動をする人は、〇〇警察と呼ばれる人にとっては、自分勝手なワガママ人間と見えるのでしょう。だから自分に直接的な被害があるわけでもないのに、社会のためという歪んだ正義で一方的に注意したりするわけです。
 よく不倫が発覚した芸能人をネットで誹謗中傷する人がいますが、このような人と〇〇警察の人には共通したものがあると私は思っています。誹謗中傷でひどく心が傷つき、自殺する人もいるんですよ。あなたに人の弱点、欠点を暴き立てる資格があるのでしょうか。
 私はこのような時、イエス・キリストの言葉を思いだします(ヨハネ福音書 第8~11章)。姦通罪を犯した女性を石打の刑にしようとした住民たちに対し、「あなたがたのなかで罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」と。それを聞いた人たちは誰も石を投げることはできず、その場を去っていったのです。
 そしてもう一つ。このような人たちには共通した心理があると私は思っています。それは意識していないかもしれませんが、劣等感に苦しんでいるのではないか、ということです。
 人は誰でも自己重要感という欲望を持っています。自己重要感とは、人から認められたい、重要な人間と思われたい、軽んぜられたくない、という心理です。
 この自己重要感の邪魔をするのが劣等感で、人より劣っているという意識なのです。だから他人の欠点を暴き立て、弱点を指摘することで、自分が彼らより優位であるという優越感に浸り、劣等感をカバーしようとする心理が働くのではないでしょうか。
 世の中には、人の悪口(陰口)をよく言う人がいますが、このような人は他人のことを言うよりも、まず自分の心の中をのぞいてみたらどうでしょうか。

「自粛警察」「マスク警察」に告ぐ①ーーー歪んだ正義

 昨今の新型コロナウィルスがもたらした社会現象の一つに、「自粛警察」「マスク警察」と呼ばれる人たちの存在があります。
 〇〇警察と呼ぶのは、新型コロナウィルスに対する「外出自粛」とか「マスク着用」といった社会の要請を盾にして、自分が警察気取りで、それに反している人を注意するからです。
 県をまたいでの外出自粛が要請されていた頃、他県ナンバーの車を故意に傷つけるような輩も出てきました。
 私が彼らに言いたいのは、あなたたちこそ社会の色々なトラブルの元になっていることを自覚してほしい、ということなのです。その理由はいくつかありますのでシリーズで書いてみたいと思います。
 まず第一に、彼らの主張、行動が歪んだ正義に基づいていることです。正義というのは、実は危ういのです。歴史上、人類はさまざまな戦争をして殺戮を繰り返してきました。どの戦争の裏にも、実は戦争首謀者たちの正義があるのです。誰でも錦の御旗を掲げて戦うのです。テロもそうです。自分たちのやっている事は正しいと信じているのです。600万人ものユダヤ人を殺害したヒットラーでさえ、自分のやっている事は正しいと思っていたのですから・・・。だからやっかいなのです。
 私はこの正義を歪んだ正義と呼んでいます。本当の正義を主張したいのなら、もっと相手の立場や状況を思いやる優しさを持たなくてはなりません。客観的で冷静な目が必要なのです。
 私は彼ら〇〇警察が、この客観的で冷静な目を持っているとは思えません。その理由は次回に譲りたいと思います。

コロナウィルスが教えてくれたものーーーバランスの大切さ

 昨今の新型コロナウィルスはパンデミック(世界的大流行)を起こしたことで、世界に近年なかった大変化をもたらしました。
 それは医療の世界だけでなく、経済・社会的な変化(仕事の仕方や商売のやり方、人と人との接触具合など多岐にわたり)をもたらしました。それは私たちに多様なジレンマを突き付けたのです。
 ジレンマとは、相対立するものが存在した時、一方を立てればもう一方がダメになるという状況を言います。そんな中で、この二つをどう成り立たせるのか、そのバランスが大切だということを、このコロナウィルスは私たちに教えてくれたのではないでしょうか。
 そのジレンマのいくつかを言いますと、まず感染防止と経済の向上が挙げられます。様々な店舗の営業を中止して、人々の外出機会を減らせば感染は防止できます。でもそれを徹底すればするほど経済は疲弊してきます。企業は倒産し、街は失業者であふれ、自殺者もうなぎのぼりで増えるでしょう。
 だからと言って経済を優先すれば、今度は感染が広がるのです。まさにジレンマですね。
 他にはマスクの問題があります。感染を防止するにはマスクの着用が有効です。しかしマスクにはマスク皮膚病や熱中症、口呼吸などのリスクが潜んでいるのです。
 外出自粛もそうです。ずっと家の中にいて、人との接触を減らせば感染は防止できます。しかしそれを徹底すればストレスがたまり、他の病気に罹りやすくなります。日光にあたることはビタミンDを増やし、うつ病のリスクを減らすのです。
 また手洗いなど衛生管理の向上は感染症の予防に有効ですが、逆にアレルギー疾患を増やす恐れがあります。
 今回のコロナウィルスの感染を防止する最も有効な方法はソーシャル・ディスタンス(人と人との距離を保ち、なるべく接触を避ける)ですが、それを徹底すれば今度は肉体的な接触(抱擁や握手等、なでたりさすったりすること)で得られるオキシトシンという愛情ホルモンの分泌を阻害する結果になるのです。
 ストレスを解消するだけでなく、優しさや幸福感をもたらすオキシトシンは豊かな社会生活を送る上でどうしても必要なホルモンでしょう。
 これらのジレンマに対処するには、一方だけに目を向けるのではなく、それを徹底した時に起こるメリットとデメリットの両方を見ながら、客観的にそのバランスを保つ工夫が必要なのです。